文系お姉さんの日記

また無職になったぞ!!!!!文系お姉さんのnotリアルタイム日記

大人でもちゃんと持てる人は少ないらしい

恥ずかしい話だが24歳になるまで箸をちゃんと持てなかった。親に教わっていないのである。言い訳と取られるかもしれないが、これは両親に確認済みだ。というか久々に帰省して実家で食卓を囲んでいたところ、親の方から「箸の持ち方が綺麗になっているがどうしたんだ」と驚き混じりに聞かれたのだ。

 


うちはあまり間隔をあけずに子供が産まれたので、おそらく親も箸の持ち方まで気が回らなかったのだと思う。1人が離乳食終わるかくらいで次の子供が産まれるのだ、正しくなくても飯は食える箸より乳児を生かす方に重きを置くのは当然だろう。

それから親自身も自分の箸の持ち方が正しいか自信がなかったようで、幼い頃にどう持てば良いのか聞いてもはっきりした答えが得られなかった。多分こう、だとは思うけれど……というような調子だったので私も困惑してしまい、ついぞ直せないまま汚い箸遣いで成人を迎えてしまった。今のようにネットで検索することはできず、マナーブックを読んでも理解できなかったのだ。

 


もちろん親のせいにするつもりは毛頭無い。箸の持ち方以外の食事マナーはしっかり教え込んでくれた。ちなみに食べ方も汚かったのだが、それは私がひとえにガサツだったからである。

 

 

 

閑話休題

 

 

 

20数年も箸を正しく持てなかった私がなぜ矯正できたのかというと、突然京都で食事をすることになったからだ。

 


もともと沖縄旅行に行くことは決まっていたのだが、前夜祭として京都も泊まろうぜといきなり同行者が発案したのである。翌日から沖縄入りなので観光はできないから、食をメインに楽しもうとのことだった。

 


やっべー!!!!!である。私の中での京都のイメージは清廉潔白、礼儀作法を重んじる古の都だ。汚ったない箸の持ち方を晒したら生粋の京都人に「器用な持ち方してはりますなぁ」と煽られかねないし、店員から冷遇されて店から叩き出されるかもしれないと本気でビビっていた。

 


(今にして思うとめちゃくちゃ失礼だし京都への恐怖心が凄まじすぎる。)

 


ぶっちゃけ気乗りしなかったのだが同行者は行く気満々、京都グルメへの情熱を滾らせていた。これは腹を括るしかない。

 

 

 

そして戦々恐々としながら京都へ初上陸、和食レストランで食事をした。この時こっそり膝の上にスマホを置き、「正しい箸の持ち方」でググって出てきたGIFを再生しながら必死で箸を使った。当然慣れない持ち方なので手に変な力が入って疲れてしまうし、箸遣いもぎこちないしで完食までいつもの倍近い時間がかかってしまった。今直さんでも、と同行者が心配と哀れみの言葉をかけてきたが、日本の誇る京都でマナー違反など許されまいとの思いだけでやり遂げた。

 

 

 

その後なんとなく沖縄でも箸の持ち方を矯正していたら1週間くらいで正しく持てるようになった。きちんと箸が持てる人間が少なくなっているとは聞くが、やはり「正しい」とされているだけあって形が馴染んでしまえばあっという間に定着する。しかも魚等が抜群に食べやすくなるし必然的に食べ方も綺麗になる。良いことづくめだ、京都で頑張ったかいがあった。

 

 

 

それまで箸がちゃんと持てないところと食べ方が汚いところがコンプレックスで他人と食事をするのが苦手だったのだが、今ではわりと誰とでもどこへも行けるようになった。それも嬉しかったし、ずっと自分を不器用で箸も持てねえと嘆いていたので「私も頑張ればできるじゃん」と自信を持つことができた。

 


たかが箸の話だが、私にとっては非常に思い出深いものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、京都で食事したレストランは京都駅のすぐ近くだったので、もしかしたら生粋の京都人はほとんどいなかったかもしれないと今更気づいた。